「旅に出たきっかけ」としての「初めての旅シリーズ」ですが、今回ついに覚醒する話を書けそうです。
旅に出たきっかけとか 7:ハッキリ断れず疲れて心神喪失する話
この話の続きとなります。
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ここまでのあらすじ
2001年12月12日に初めての旅でタイに来て、早速トゥクトゥクに連れ回されて辛い思いをしました。
翌日の13日、昼間またトゥクトゥクで連れ回されて、夜は高額ツアーを売りつけられそうになって、精神的にかなりやられてきました。
今回はその翌日の話です。
2001年1月14日
おはようございます。
タイ旅も3日目となりました。
色々ありましたが、なんとか生きています。
【旅日記の内容】
9時に起きてホテルの朝食。
チャーハン+目玉焼き+ベーコン+コーヒー。
うまくないがまあ喰える。
今日はホテルの朝食を食べる事ができました。
午前中はシャワーを浴びたり洗濯したりして、のんびり過ごしました。
ニッキーさんとも会わずに済みました。
今日は訳あって、都心部にあるシティバンクの支店に行ってみようと思います。
本当は行く必要は無かったのですが、初心者なので勘違いしていました。
(シティバンクの支店じゃないとATMが使えないと思ってました)
ついに覚醒します
少し苦戦しながらも、路線バスと徒歩でシーロム通りに到着しました。
街並みがずいぶん綺麗で近代的で驚きました。
それに、
「どこいくの?あそこは今日休みだから、別の場所に案内するよ」
みたいに、怪しく声をかけてくる人はいませんでした。
1人もいませんでした。
なんか僕の知ってるタイとだいぶ違うぞ
と思いました。
はい。
まさにこの瞬間です。
ここで覚醒しました。
いったい何があったのでしょうか???
何もありませんでした。
本当です。
何も特別な出来事はありませんでした。
ただ「ちょっとした気付き」があっただけです。
でもこの瞬間に、
まるで超サイヤ人になったかのように、
まるで火事場のクソ力の封印が解けたかのように、
まるで「チンタラしてっと そのアトムみてーな頭もカリあげっど!」って言われたかのように、
力がみなぎってきて、ポジティヴになりました。
(最後の例えはちょっと違うかも)
「ちょっとした気付き」とは何だったのか。
それは、
「今までは場所が悪かっただけじゃない?」
という事です。
昨晩の時点では、私の評価はこうなっていました。
タイの人 | 悪い人ばかりで、すぐに騙そうとしてくる |
タイの町 | 汚くてゴチャゴチャしている、お店も少なくて不便で居心地が悪い |
タイの食事 | 不衛生で食欲をそそらない屋台が多く、味もイマイチ |
タイの交通 | トゥクトゥクですぐに変なところへ連れていかれて信用できない |
それでタイが大嫌いになっていたわけです。
それがですね、この場所に来てみたら、全てが違ってたんですよ。
タイの人 | 清潔でオシャレな人が多いし、誰も話しかけてこない |
タイの町 | 近代的で整っていて、気になるお店もたくさんある |
タイの食事 | 美味しそうなレストランとかファーストフード店が多い |
タイの交通 | バスは路線図通りに走り、車掌さんも親切で信頼できる |
「タイはこういう理由で嫌い!」って決めつけて悩んでいた事が、全然当てはまらないんです。
無事にシティバンクでの用事も終え、公園を散策したりしました。
ますます楽しくなってきました。
ここでも「声をかけてくる悪い人」は居ませんでした。
きっと私も最初からこっちのエリアに来ていれば、あそこまで落ち込む事はなかったのでしょう。
単純だけど大事なこと。
「場所を変えたら楽しくなった」
という事を理解しました。
ん?
もしかして他の事も変えれば、もっともっと楽しくなるのかも?
という事をひらめきました。
昨晩会ったNさんにも、
「楽しいと思うのも辛いと思うのも自分次第」
って言われましたしね。
まずは小さな事から始めてみようと思い、いくつかの簡単なルールを作ってみました。
・トゥクトゥクには絶対に乗らない
・声をかけてきた人は全員無視する
・商売熱心な人からは逃げる(買わない理由は言わなくてもいい)
・お腹を壊す心構えをしておく
「このルールを守って行動したら、何か変わるといいなぁ、少しでも楽しくなるといいなぁ」
と思いながら散策を続けました。
そしたらね、
なんかビックリするくらい楽しくなっちゃいましてね。
心にゆとりが出来たせいか、物の見え方も変わってきたように思います。
さっきのルールは初心者の私が考えたものですが、今の私から見ても、けっこういい線いってると思います。
実際にこれ以降、辛い思いをすることは激減しました。
ほぼゼロになったと思います。
あとはまあ、
「辛いと思うことに疲れたというか飽きた」
というのもあったのかもしれませんね。
いつの間にか、ほとんどの事が楽しく感じられるようになっていました。
屋台でも普通に食事できるようになりました。
最後まで悪い事件も無く、とても良い一日でした。
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2001年12月14日
タイで3回目の朝です。
まだまだ初心者ではありますが、変なプレッシャーとか恐怖心とかは完全になくなりました。
バスでウィークエンドマーケットに行って買い物をして、
カオサン通りで足マッサージをしてもらって、
サヤームスクエアでジュースを飲んでくつろいで、
まるっきり普通に楽しんでいます。
普通にっていうよりは、強烈に楽しんでいます。
日本とは全然違うタイの文化、その全てが面白すぎるのです。
ただ移動する、ただ買い物をする、そんな些細なことでも、全部いい刺激になっています。
朝から晩までの全ての事が楽しいです。
こんなに楽しい事は、今までの人生で初めてかもしれません。
この日の夜は、日本人のNさんと会う約束をしていました。
2日前に心神喪失状態になった直後に、相談に乗ってもらった人です。
集合場所で待っていると、しばらくしてNさんがやってきました。
Nさん「無事に生きてて良かったなあ。その後は酷い目にあってないか?」
私「はい、大丈夫です。っていうかタイは超面白いですね!」
Nさん「……え?」
私「タイが大好きになりました!」
Nさん「何があったん???お前まさか麻薬とかやってないよな???」
もちろんNさんは冗談で言ったのだと思いますが、それくらい私の変化に驚いていました。
あとがき
今回の本編はここまでです。
「どうやって覚醒するのだろう???」って気にしてくださった人もいたかもしれませんが、特に面白い事件とかじゃなくて済みません。
でも本当に何もなく、突然ふっとひらめいた感じでした。
あともうひとつ、どうしても伝えたい重要なことがあります。
それは、
まだ3日しか経っていない
という事です。
タイの空港に到着してから、ここでNさんに再会するまで。
本当に色々な事があったと思いますが、実は72時間くらいしか経過していないんです。
この密度の濃さにしびれました。
日本で普通に生活する1ヶ月よりも、何倍も濃い72時間でした。
急激に強烈に成長できる実感
これが私が旅に夢中になった、1番の理由だと思います。
ノープランで書き始めましたが、なんか綺麗な感じにまとまってくれて安心しました。
次回はエピローグ的に、ちゃちゃっと他の要素も書いてみようと思います。