株式会社MIYOSHIさんにお借りしたSL-EVで旅をしています。
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9/23(金)の夜、群馬県と長野県の県境にある内山峠でバッテリーが切れそうになって、民家を尋ねたところからです。
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夜の内山峠です
「こんばんは、私は〇〇と申しますが、電気自動車で旅をしていまして……ですがバッテリーがなくなってしまって、もしよろしければ、少し充電させて頂けますでしょうか……」
藁にもすがる思いで、見ず知らずの民家を尋ねてみましたが、快く了承してもらえました。
緊張が一気に解けて、力が抜けてふにゃっとしてしまいました。
「充電してる間はどうするんだい?」
「はい。車内かお庭で待機させて頂いてもよろしいでしょうか?」
「そんなこと言わずに、家の中で休んでいきなよ!」
「いえ、充電させて頂けるだけでも十分助かりますので、そこまでして頂くのは申し訳ないです」
「そんな遠慮しなくていいから、ほらこっち来なせえ」
「ありがとうございます」
「夕飯は食べたんかい?」
「いえ、まだです」
「ありゃ! なんてこった!」
安藤さんご夫婦に助けてもらいました
という訳で、安藤さんご夫婦のお家に入れて頂きました。
安藤さんは、魚の移動販売とかをされている方です。
たまたま明日は休みという事で、道路寄りの離れの部屋にいらっしゃったので、お会いする事が出来だようです。
私はここまでの経緯を話しました。
安藤さんたちは、私の話をひとつひとつ、褒めて慰めてくれました。
「引き返すのだって勇気だよ」
とか、
「あそこから先は家なんてぜんぜんねえから、無理して進んでたら大変な事になってたよ」
とか、
「トラックが多くて危ない運転する人もいるから、無事でよかった」
とか、
「見ず知らずの家を訪ねて声をかけられたのも勇気があって頑張ったね」
とかとか……
私はさっきまで、ものすごく心細かったんです。
Twitterでは平静を装っていましたが、実際は過去のどんな旅よりもピンチに感じて、辛い気持ちになっていたんです。
きっと表情にも表れていた事でしょう。
それを助けてもらって、ものすごく嬉しかったんです。
なのに、安藤さんは全然恩着せがましくなく、とても優しくしてくれます。
「こんな狭くて汚ねえ部屋で、そんな感謝される程のものでもねえべや」
って、面白おかしく謙遜されています。
私にも夕飯を出してくれました。
たくさんおかずがあって、まるで旅館の夕食みたいです。
「食べる前に写真を撮ってもいいでしょうか?」
「あんらまあ、そんないいカメラで写真に撮ってもらう程の料理じゃないのにねえ、うふふ」
色々な感情が入り混じって、私は泣いてしまいました。
数年ぶりに泣いてしまいました。
ちなみに前回は、ウクライナのチェルノブイリ原発事故の記念館の展示を見た時だったと思います。
「ありがとうございます。本当にありがとうござます。(中略)」
「私らはねえ、お兄さんがそんな感激してくれたってだけで、十分に嬉しいんだよ。だから気にしないでいいし、どんどん食いしゃんせ。おかわりもたんとあるからね」
「ありがとうございます。ううう……」
嬉しすぎて、よけい泣いてしまいました。
「今日はもう遅いし、泊まっていきなせえ」
と言って頂きました。
けっこう迷いましたが、総合的に考えて、お言葉に甘えさせて頂くことにしました。
今の精神状態で前に進むのはリスクが大きいので、
今後のルートを落ち着いて一晩考えてみようと思います。
そしてお茶と焼酎もご馳走になりました。
今晩の話はもうちょっと続きがあるのですが、いったん区切ります。
つづく